機械分野の
特許出願と権利設計

図面の奥にある設計意図を捉え、
回避されにくい権利を設計する。

どの技術的特徴を、どの範囲で特許として押さえるかを考える「権利設計」は、技術を深く理解することから始まります。特許が事業の競争優位性にどれだけ貢献するかは、取得した件数だけでは決まりません。大切なのは、1件1件の権利が、事業上重要な技術を捉え、競合に回避されにくく、必要な場面で活用できるものになっているかです。


機械分野の特許では、部品の形状や配置などの構成を少し変えるだけで、競合に権利範囲を回避されてしまう場合があります。だからこそ、図面や完成品の背後にある設計意図まで理解して権利を設計することが欠かせません。


ここでは、機械分野の特許出願で当事務所が重視する判断と権利設計の方法、取扱実績、担当体制と支援方針をご紹介します。

当事務所が
得意とする分野

機械要素・機械部品

工具・工作機械・加工装置

食品製造装置

センサ・計測機器

生産設備・自動化装置

レーザー・光学機器

機械の構造・機構から、制御・ソフトウェアとの連携まで

機械技術は、構造・機構だけで完結するとは限りません。IoTに対応した機械やロボットなど、制御・ソフトウェアと組み合わされた発明にも対応します。
代表弁理士自身が制御プログラミングに携わった経験を活かし、構造・機構と制御との関係を整理したうえで、技術全体の仕組みを踏まえた権利化を支援します。

このような企業に適しています

  • 自社製品や生産設備に独自の構造・制御上の工夫がある
  • 競合による設計変更や模倣を見据えて権利範囲を検討したい
  • 社内に専任の知財担当者がいない、または自社の知財体制を補完したい
  • 単発の手続きだけでなく、開発・事業計画に沿って継続的に相談したい

機械分野の難しさと課題

なぜ機械分野では、権利の強さに差が出やすいのか

同じ発明でも、権利範囲の設計と明細書の記載によって、得られる権利の実効性は大きく変わります。機械分野には、権利の実効性に差が出やすい3つの事情があります。

課題1

図面と完成品だけでは、
発明の核が見えない

技術者が作成する図面や、試作品・製品の具体的な形態は、発明が解決しようとする課題だけでなく、製造上の制約、目標コスト、外観上の要求など、さまざまな条件を踏まえて決められています。そこには、発明の核となる工夫と、製造・コスト等の要請から選ばれた形態とが混在しており、図面や完成品を見るだけでは、両者を明確には区別できません。そのため、図面や試作品に表れた形態をそのまま請求項に取り込むと、事業上守りたい範囲よりも狭い権利になるおそれがあります。

課題2

わずかな設計変更で
回避されやすい

機械分野では、部品の省略や置き換え、複数部材の一体化、形状や配置の変更、動作順序の入れ替えなど、さまざまな回避設計が考えられます。請求項が図面や製品の形態どおりに記載されていると、このような設計変更に権利が及ばないおそれがあります。また、事業上重要な範囲を十分にカバーできないまま出願内容が公開されれば、自社の競争優位性を高めるどころか、他社に開発のヒントを与えるだけ、という結果にもなりかねません。

課題3

現場の工夫が「当たり前」として埋もれる

技術者が行った何気ない工夫や改良は、本人には誰でも思い付く「当たり前」のことに見えることがあります。しかし、そうした工夫の中には、従来技術にはない特徴を備え、特許として保護できる可能性のあるものもあります。一見「当たり前」に見えても、事業上は重要な技術であることが少なくありません。言語化されないまま埋もれてしまえば、権利にする機会そのものが失われます。

特許出願の判断

事業と技術に合った出願方針を決める3つの判断軸

出願する技術、出願時期、出願のまとめ方や出願国によって、必要な費用や得られる権利は変わります。当事務所は、初回のご相談から次の3点を一緒に整理します。

判断1

何を出願し、何を秘匿するか

特許出願の内容は、原則として出願から約1年半後に公開されます。製品から技術内容を把握されにくく、秘密として管理できる技術は、出願せずにノウハウとして秘匿する選択もあります。
一方、自社で独占する必要はなくても、他社に権利化されると製造・販売が制限されかねない技術については、防衛目的の出願や技術情報の公開によって、他社の権利化を防ぐ方法があります。事業上の重要性を踏まえ、出願・秘匿・公開のいずれを選ぶかを判断します。

判断2

いつ出願するか

同じ発明について複数の出願があった場合、原則として先に出願した者が特許を受けられるため、早く出願したほうが有利です。また、出願前に製品発表や展示会などで発明を公表すると、原則として特許を受けられなくなります。
一方、開発の早い段階で出願すると、その後に生まれた改良を当初の出願に追加することはできず、改良も保護するには別の出願が必要になります。開発状況や事業計画、公開予定を踏まえ、適切な出願時期を見極めます。

判断3

どのように出願するか

1つの製品に複数の発明が含まれる場合、発明同士の技術的な関連性によっては1件にまとめて出願できますが、あえて複数件に分けたほうがよい場合もあります。まとめ方によって、費用や権利取得の進め方が変わります。
また、日本の特許権の効力は日本国内に限られるため、外国でも権利を得るには、その国・地域への出願が必要です。発明同士の関連性、販売・製造地域、事業計画、予算を踏まえ、出願の形を決めます。

これらの判断をもとに、
権利範囲を設計します。
そのための方法が、
次の4つのアプローチです。

4つのアプローチ

技術理解を「強い権利」につなげる
4つのアプローチ

機械分野で生じやすい難しさに対して、代表弁理士が自ら、次の4つのアプローチで権利を設計します。

01

開発者・発明者との深い対話

権利設計上の課題

発明者にとって当たり前の判断や、採用しなかった案、試作で得られた知見は、図面や仕様書には十分に表れません。

当事務所のアプローチ

発明の内容は、普段お使いの言葉のままお話しいただけます。機械系エンジニアとして研究開発に携わり、発明者として特許出願を経験した代表弁理士が、技術者の思考過程に沿ってヒアリングします。
図面、試験結果、変更履歴を確認しながら、変更の理由、採用しなかった案、現場で得られた効果を掘り下げ、資料に表れていない工夫まで把握します。採用しなかった案も、権利範囲を裏付ける変形例として明細書に活かします。分からない点は曖昧にせず、必要に応じて関連技術や特許公報も調べます。

このアプローチで目指すもの

言語化されていなかった工夫や代替案まで反映した出願内容

02

発明の核の言語化

権利設計上の課題

製品の具体的な形状には、発明の作用に不可欠な要素と、製造・コスト等の事情から選ばれた要素とが混在しています。

当事務所のアプローチ

構造・形状の各要素を、動作原理に由来する「必然」と、製造やコストの事情による「選択」とに切り分けます。そのうえで、課題の解決に寄与する要素と事業上守るべき範囲を見極め、製品の形態にとらわれず、発明の核を言語化します。

このアプローチで目指すもの

具体的な形状に必要以上に限定されず、効果を生み出す発明の本質を捉えた権利範囲

03

回避設計を想定した権利設計

権利設計上の課題

競合が特許公報を分析し、部品の形状や配置を変えて権利範囲を回避することがあります。

当事務所のアプローチ

「回避する側」の目で、部品の置換や配置変更などの回避ルートを洗い出します。
製品・装置そのものを対象とする「物の発明」と、製造、制御、使用などの手順を対象とする「方法の発明」をどのように組み合わせて保護するかも検討し、事業上重要な変形例を明細書と複数の請求項に反映します。ただし、請求項は、単に広く書けばよいわけではありません。先行技術との関係や無効リスクも踏まえて、どこに回避の余地が残るかを把握したうえで権利範囲を設計します。

このアプローチで目指すもの

競合の設計変更にも及び得る、回避されにくい権利範囲

04

将来の活用を見据えた記述精度

権利設計上の課題

明細書や特許請求の範囲は、審査、無効審判、ライセンス、事業提携、権利行使など、出願後もさまざまな場面で繰り返し評価されます。

当事務所のアプローチ

明細書の記載によって、拒絶理由に対応するための補正の選択肢を十分に確保できるか。無効理由に対する反論や、訂正による権利維持を支えられるか。ライセンス先に権利の意義を説明できるか。競合製品と請求項の対応関係を明確に示せるか。
こうした将来の活用場面を先回りして想定し、特許請求の範囲と、目指す権利範囲を支えるために必要な説明を備えた明細書を作成します。

このアプローチで目指すもの

審査対応と権利取得後の活用の双方に耐える出願内容

データでみる実績

国内出願人の案件にみる取扱実績

国内出願人の特許出願768件のうち、機械・構造系の発明は742件で、その97%を占めます。「機械要素・流体機器」「工具・工作機械・加工装置」を中心に、幅広い機械技術を取り扱っています。

国内出願人の特許出願

768

件

うち機械・構造系

97

%

  • 当事務所が取り扱った特許出願1,751件のうち、国内出願人の案件を集計しています。

機械・構造系742件の分野別内訳

機械・構造系742件の分野別内訳
  • 公開特許情報に基づく当事務所の集計。集計日:2026年7月10日/対象出願期間:2003年1月〜2026年4月。
  • 機械・構造系には、具体的な構造・機構を備える医療機器・計測機器等を含みます。

担当体制と実務の歩み

代表弁理士による一貫対応と、
受け継がれる実務の蓄積

代表弁理士/特定侵害訴訟代理業務付記弁理士/AIPE認定 知的財産アナリスト(特許)

海老 裕介

YUSUKE EBI

発明ヒアリングから審査対応、
権利化後まで一貫して担当します

代表弁理士が、発明ヒアリング、権利化方針の検討、明細書や意見書・補正書の作成から、権利化後のご相談まで、自ら対応します。技術内容と検討の経緯を把握しているため、出願後の審査対応も一貫した方針で進められます。

「技術を見る目」は、一代で築いたものではありません

当事務所の機械分野の実務は、1972年から特許実務に携わってきた創業者・伊藤茂の経験を礎としています。その実務の蓄積を、2010年に入所した代表弁理士の海老裕介が受け継いでいます。伊藤は現在も、顧問弁理士として事務所を支えています。

3つの支援方針

当事務所の3つの支援方針

方針1

開発の早い段階から、
伴走します

企画、設計、試作、製品化など、開発の節目に応じて、発明の発掘をお手伝いします。技術者が発明を提案しやすい社内の仕組みづくりや知財教育にも対応し、知財部を持たない企業では「外部の知財担当者」の役割も担います。

方針2

特許を取得すること自体を、
目的にしません

ご相談いただいた発明が、事業にどのような価値をもたらすのかを考えます。そのうえで、出願すべきかどうか、出願するとすればどの技術的特徴をどのような範囲で権利として押さえるべきかをご提案します。

方針3

権利化の後も、
事業に合わせて見直します

製品の世代交代や事業方針の変化により、保有特許の役割も変わります。個々の特許としてだけでなく、製品ごとの特許群としても捉え、維持・整理の判断や、次世代製品に向けた新たな権利化を支援します。

お問い合わせ

  • 初回無料相談
  • 全国オンライン対応

出願すべきか迷っている段階や、図面・資料が十分に整っていない段階でも
ご相談ください。設計上の工夫や現場で生まれた発明を整理し、
今後の進め方をご提案します。